ご挨拶

このたび、第14回日本精神科医学会学術大会を、日本精神科病院協会中国四国地区が担当し、愛媛県松山市で開催することとなりました。期間は、令和7年10月16、17日の両日(15日にはイブニングセミナーを開催します)、会場は松山空港や松山観光港にもほど近く交通至便なアイテムえひめ(愛媛国際貿易センター)です。

大会テーマは、「坂の上の雲をつかめ!—新時代の精神科医療をめざして」です。もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、この大会テーマは司馬遼太郎の長編歴史小説「坂の上の雲」をモチーフにしています。この物語は、明治維新を経て新たな近代国家に生まれ変わった日本が、国民国家としての体制を整えてゆき、欧米列強に伍しながらも幾多の苦難を乗り越えて、ついには日露戦争に勝利するまでの物語であり、伊予松山出身の秋山好古・真之兄弟や正岡子規を主人公とする群像劇です。

「失われた30年」とも言われる国家的停滞をやっと脱したかに見える現在のわが国は、新たな目標を打ち立てて進んで行かなければなりません。もはや停滞もいわんや後退も許されないのです。精神科医療の分野においても、精神保健福祉法改正に見られる変革や少子高齢化に代表される疾病構造の変化といった、幾多の荒波を乗り越えていかなければなりません。今回の学術大会では、日々の医療活動や研鑽の結果の発表、特別講演や招待講演、さらにはシンポジウムにおける議論を通じて、われわれの精神科医療が坂の上にいったいどんな雲が描けるか、と実行委員をはじめ奮闘して企画を練っています。

今回の開催都市である松山市は、「いで湯と城と文学の街」として知られています。令和6年7月には道後温泉本館の全館営業再開が成り、テーマに掲げた「坂の上の雲ミュージアム」をはじめ、子規記念博物館、伊丹十三記念館といった文化財には枚挙に暇がありません。また、瀬戸内の海の幸を堪能でき、なかでも鯛を使った鯛めしや鯛素麺が有名です。また愛媛は柑橘類の王国、媛まどんなを始めとするフルーツやそれらを活かしたスイーツからも目が離せません。これらをゆったり満喫していただいて、日頃の疲れを癒してください。今回の大会がどんな雲を描くかに大いに期待していただき、多くの皆様方が参加されることを楽しみに心よりお待ちしております。

第14回日本精神科医学会学術大会

大会長 櫻木 章司

(公益社団法人日本精神科病院協会常務理事/中国四国地区代表)

第14回日本精神科医学会学術大会

実行委員長 黒田 典生

(公益社団法人日本精神科病院協会理事/愛媛県支部長)

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